「だ・・・大丈夫かい?」
「はい・・・大丈夫です・・・いつものことですから・・・」
私の名前はハル。
今日、ウツギ博士にポケモンを貰う予定なんだけど・・・
研究室に入った直後、つまづき転んで・・・
今の状況がここです・・・。
ああ、ほんと私ってドジ・・・!
「じゃあ、この中からポケモンを選んでくれ」
「は・・・はい!」
どうしようかな・・・
ワニノコも可愛いし・・・チコリータも可愛いよね・・・
だけど育てるの難しいみたいだし・・・。
ヒノアラシも可愛いなぁ・・・
あーん!どうしよう・・・決められない・・・!
「おーい!ハルー!」
「マリッ!」
あ、ビビキだ!
マリルもいるー!
「もうポケモン決めたの?」
「ううん・・・みんな可愛くて決められないの・・・」
私はヒビキのマリルと遊びながらそう言った。
「マリ♪」
「うーん・・・どうしよう・・・!決めらんないよ・・・!」
「リルリル〜マリマリ♪」
マリルはヒノアラシと仲良く遊んでいた。
よし・・・決めた!
「私、ヒノアラシにしますっ!」
「よし、わかった。大切に育ててあげてね。」
私はヒノアラシをもらった。
「ハル、ヒノアラシに名前付けてあげたらどう?」
「そうだね・・・!じゃあ・・・」

「名前は元気!」

そう、この子といると、元気になれそうだから。
だから私、この子に決めたの。

「よろしくね、元気!」
「ヒノヒノ〜♪」
元気は私に擦り寄ってきた!
あ〜、やっぱりポケモンって可愛い〜♪
「ねぇ、君、旅に出かけるんだって?」
白い白衣姿の男の人に声をかけられた。
「はいっ、そうです。」
「じゃあこれを持っていくといいよ、ポケモンがピンチになったときに。」
するとその人は、私にキズぐすりをくれた。
「わぁ!有難うございます!」
「気をつけていくんだよ、ハルちゃん」
「はいっ!」
「じゃあ、ハル行こうか」
「うん。」
そして私たちは研究室を出た。

いたっ!
扉を出ようとしたら、誰かにぶつかった。
赤い髪で・・・目つきが悪くて・・・怖そう・・・。
「ご・・・ごめんなさい・・・」
私がびくびくしながら謝ると、その人は私を睨みつけた後、何事も無かったかのように中へ入っていった。
「なんだよ、アイツ・・・感じ悪いなぁ」
ヒビキ・・・仕方ないよ、私がおっちょこちょいなせいなんだから。

そして29ばんどうろへ。
「じゃあ、此処で分かれようか」
「う・・・うん」
「あ、その前にポケギアに番号登録しておこう。」
「そうだね・・・!」
「・・・どうしたの、ハル。元気ないじゃん。」
「・・・、」
さっきのこともあるけど、私、ちゃんとポケモン図鑑作れるかな。
元気とちゃんとやっていけるよね?
「当たり前だろ、そんなこと心配するなよ!」
「う・・・うん」
ピピピッ
ポケギアにヒビキを登録した。
「よし、僕は先にいくよ、じゃあね。」
そう言ってヒビキは先に行ってしまった。
私は、そこに固まっているまま。
「ヒノ・・・」
「あ・・・元気・・・」
そうだよ、元気もいるし、絶対に大丈夫!大丈夫!
「よし、行こう、元気!」
私は元気の方を向きながら歩き出そうとしたら・・・
ドン!
勢い良く誰かにぶつかった。
「なんだってんだよー!誰だよこんな所にぼーっと突っ立っているのは!」
ひ・・・ひぇっ!
「ご・・・ごめんなさっ・・・」
私は涙をポロポロ零しながら謝った。
「お・・・おい、俺も悪かったよ・・・だから泣くなよ・・・」
「えぐっ・・・ひっぐ・・・」
だけど私の涙は止まらないまま。
「お・・・俺はもう行くからな・・・あばよ!」
そう言ってその男の子は走り出した。
「ヒノッ!」
元気・・・?
元気はその男の子を先に行かせようとしない。
そして、その男の子の足をぽかぽかと叩き始めた。
「おい!何すんだよ!」
「ヒノッ!」
元気はかなり怒っているようだ。
「・・・」
「仕方ねぇな、俺がついてってやるよ。
お前が次行く町、何処だよ。」
「え・・・?いいんですか・・・?」
「だって・・・泣かせた女の子放っとけねーだろ」
「・・・」

「あ・・・有難うございます!」

私はそう言うと、その男の子の手を握り締めた。
「えっ・・・なっ・・・///」
私はにっこり笑った。
さっきの涙なんて、無かったみたいに。
「と・・・とりあえず行こうぜ!」
「はいっ!」

私の冒険はまだ始まったばかり。
これから何が始まるのか、とても楽しみです!


BGM*飛行空域